ミル打ち結婚指輪の様々な特徴をメリットデメリット込みで解説
指輪のデザインのひとつとして、小さな金属の粒を並べて打刻していくミル打ちがあります。ヨーロッパで古くから伝わる技法で、長寿や子宝という意味が含まれるため、結婚指輪に取り入れられることも多いです。そんなミル打ちの結婚指輪の具体的な特徴や気を付けるべき部分を解説していくので、結婚指輪を選ぶ際の参考にすると良いでしょう。
目次
複数の加工方法がある
結婚指輪のミル打ちは、小さな粒が列になって並んだデザインが特徴です。そしてその粒の列はリングのエッジ部分やセンターなど色々な部分に施せて、片方のエッジのみであったりカーブした複雑な形状に対応したりなど、幅広いデザインに仕上げることができます。その具体的な加工方法は複数あり、オーソドックスなのは粒をひとつずつ打刻していくものです。確かな技術力を持った職人が手掛ければ、ミル打ちの一番の特徴である美しい粒の並びが実現できます。
その他にもリングを作る際にあらかじめミル打ちを模した型に金属を流し込む方法と、リングに後から型で力を加えて模様を付けていく方法があります。いずれも厳密にはミル打ちをしてはいませんが、ミル打ちとして扱われることがほとんどです。そして職人が一粒ずつ打刻する方法と比べて凹凸が少なくなりがちな代わりに、短時間で仕上げられる上に低コストで済むという強みがあります。
幅広い世代に対応できる強み
ミル打ちの結婚指輪の一番のメリットは、そのデザインの美しさです。光沢を持った金属の粒は角度によっては宝石のようにも見え、その粒が並んだ全体的なデザインは非常に豪華な印象を与えます。また凹凸によって影の部分が生まれることで、引き締まったデザインになるという特徴もあります。
そして確かな技術によってしっかりと施されたミル打ちのデザインは、幅広い世代で高い人気を誇ります。またヨーロッパの伝統的なデザインということで、流行の影響も受けにくいです。さらにデザインは複雑ではありながらも、粒が均等に並んでいるだけなので奇抜だとは捉えられにくく、様々なシーンで問題なく使用することができます。
また結婚指輪に使用されている金属は、何十年も使用していくとある程度光沢が失われてしまうものです。ですがミル打ちが施してあると、形状に目が向きやすく光沢が気にならなくなります。使っていく内に光沢が少なくなることで、アンティーク調の見た目に仕上げることもできるでしょう。またフラットなタイプの結婚指輪だと、小さな傷であっても目立ちやすくなります。その点ミル打ちであれば、形が複雑なので傷が目立ちにくいです。
サイズ直しとメンテナンスに注意
ミル打ちの結婚指輪は基本的に、粒の並びを計算して作ります。そのため指の太さの変化に合わせたサイズ変更が難しいというデメリットがあります。結婚指輪のサイズ調整は一部をカットしてから、別の素材を溶接で繋ぎ合わせた上で、違和感ない見た目に仕上げるために研磨などの作業を必要とします。けれどミル打ちだとそういった作業が困難になることが多いです。固定する際に粒が潰れてしまったり、研磨自体ができずに違和感が消せなかったりする恐れがあります。したがってミル打ちは指の太さがそう変わらず、サイズ直しが必要ない場合に向いていると言えるでしょう。
ただミル打ちであってもサイズ直しが全くできないというわけではなく、結局はメーカーやブランド次第です。そのため注文時にサイズ変更ができるかどうかを確認しておくことは大切です。またミル打ちがエッジ全てではなく一部に施したものであれば、ミル打ち以外の部分でサイズ調整は可能です。したがって作成する段階でサイズ変更のことを考えて、ミル打ちを施すのを一部に留めておくという方法もあります。
またミル打ちを施すと凹凸ができるため、その隙間に汚れが溜まりやすくなります。さらに使用していく内に金属の粒がすり減ることもよくあります。そのため一番の強みである美しさを維持するためには、定期的なメンテナンスが欠かせないことを覚えておきましょう。軽い汚れであればセルフメンテナンスでも取り除けますが、隅々まできれいにしたりシルエットを保ったりするにはメーカーに出す必要があります。
正しく扱って魅力を活かす
ミル打ちは豪華なデザインと共に永遠を誓う願掛けの要素もあるため、結婚指輪に施すのに適している技法です。そしてサイズ直しとメンテナンスの2点に気を付ければ、強みを最大限に活かすことができます。そのため注文する際に、メンテナンスの費用やサイズ直しができるかといった部分を、しっかりと確認しておきましょう。